漢文 満点への道⑨ 否定形その伍
今回は「全部否定」と「部分否定」です。
形が似ているので非常に間違えやすいのですが、意味は全く違います。悩んでいる受験生も多いのではないでしょうか。しかし、このブログをご覧になっているあなたはもう大丈夫です。簡単な見分け方がありますよ!
まず、全部否定と部分否定の違いについて確認しておきます。単純に言えば、全部否定は完全な否定です。部分否定は、部分的な否定なので肯定の意味が少し混じります。ですから、訳し方を間違えれば当然、不正解です。しかも、読み方も変わるものもあります。
たとえば、
①「必不~」と「不必~」
必不~ 読み ・・・ 必ず ~ ず
意味 ・・・ 必ず ~ しない
不必~ 読み ・・・ 必ずしも ~ ず
意味 ・・・ 必ずしも ~ するとは限らない
となります。どちらが「全部否定」でどちらが「部分否定」か分かりますか?
「必不」は完全な否定ですね。「不必」は「~するとは限らない」のですから、する時もあればしない時もあるのです。つまり、「部分的な否定」(=部分否定)ということになります。読み方も、部分否定のほうは「必ずしも」というように「しも」がつきます。
同じように、
②「常不~」と「不常~」
常不~ 読み ・・・ 常に ~ ず
意味 ・・・ いつも ~ しない(全部否定)
不常~ 読み ・・・ 常には ~ ず
意味 ・・・ いつも ~ するとは限らない(部分否定)
③「倶不~」と「不倶~」
倶不~ 読み ・・・ 倶(とも)に ~ ず
意味 ・・・ 両方とも ~ しない(全部否定)
不倶~ 読み ・・・ 倶(とも)には ~ ず
意味 ・・・ 両方とも ~ するとは限らない(部分j否定)
となります。これらの部分否定は読む時に「~は」と付け加えます。他にも「不甚~」(甚だしくは~ず)、「不重~」(重ねては~ず)、「不再~」(再びは~ず)などがあります。
また、
④「復不~」と「不復~」
復不~ 読み ・・・ 復(ま)た ~ ず
意味 ・・・ 一度も ~ しない(全部否定)
不復~ 読み ・・・ 復(ま)た ~ ず
意味 ・・・ 二度とは ~ しない(部分否定)
というように、全部否定の時も部分否定の時も同じ読み方をする場合があります。しかし、日本人にとっては同じ読み方でも、中国人にとっては語順が違いますから訳し方も違います。「復不~」は「一度もしたことがない」ということなので全部否定。部分否定の時は「二度とはしない(=少なくとも一度はしたことがある)」ということなので部分否定ということになります。
さて、「全部否定」と「部分否定」の見分け方ですが、おっと残りが少なくなってきました。慌てずに次回に説明することとしましょう。
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