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2007年9月

2007年9月27日 (木)

漢文 満点への道⑦ 否定形その参

今回は「二重否定」を説明します。

二重否定とは「否定したことを否定する」用法です。いろいろなパターンがあるのですが、例えば「~しないことはない」という訳になります。これは、日本語では消極的な肯定として受け取られますが、中国語の場合は非常に強い肯定として認識されます。

ただし、だからといって訳すときに「必ず~する」といった意訳をするよりは、忠実に「~しないことはない」と直訳するほうが受験においては無難でしょう。

さて、「二重否定」は様々な否定語の組み合わせから成り立ちますが、それをいちいち丸暗記するのは大変です。ちょっとした原則を覚えるだけで、とても簡単に覚えられます。
その原則とは・・・

 ①「不」(=弗)は「~しない」と訳す。(主に動詞を否定するから)
 ②「無」(=莫・勿・毋)は「~(ものは)ない」と訳す。(主に存在を否定するから)
 ③「非」(=匪)は「~ではない」と訳す。(主に名詞句を否定するから)
 ④上記①~③を後に出てきたほうから順番に訳す。

ということだけです。

ですから・・・

 a「無不~」は「~(せ)ざるは無し」と読み、「~しないものはない」と訳す。
 
 b「無非~」は「~(に)非ざるは無し」と読み、「~ではないものはない」と訳す。

 c「非不~」は「~(せ)ざるに非ず」と読み、「~しないのではない」と訳す。

 d「非無~」は「~無きに非ず」と読み、「~がないのではない」と訳す。

となります。簡単ですね。

次回は、もう少し複雑な二重否定を説明しますが、原則さえしっかり理解できれば分からないことはありません(二重否定=強い肯定)

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2007年9月24日 (月)

漢文 満点への道⑥ 否定形その弐

前回に引き続き、否定形の説明です。

2、禁止形

 ★勿(=莫・毋・無)
    
    読み ・・・ 勿(な)かれ(古文のク活用形容詞「なし」命令形・書き下す時は必ず漢字+「かれ」!
    意味 ・・・ ~するな、してはいけない、しないでくれ 
    
  (例)君莫笑。

    書き下し文・・・ 君笑ふこと莫かれ。
    口 語 訳・・・ 君よ笑ってはいけない。

3、不可能形

 ★不可
    
    読み ・・・ べからず(古文の可能の助動詞「べし」未然形+打消の助動詞「ず」終止形・書き下す時は必ず平仮名!
    意味 ・・・ ~できない 
    
  (例)不可渡。

    書き下し文・・・ 渡るべからず。
    口 語 訳・・・ 渡ることはできない。

    「不可」は禁止の意味もあるので気をつける(「べし」が命令の意味をとる場合)。外見上は同じなので文脈で判断するようにする。

    ※「不可勝~」となった場合は「勝(あ)げて~べからず」となり、「~しきれないほど多い」という意味になる。

  (例)不可勝用。

    書き下し文・・・ 勝げて用ふべからず。
    口 語 訳・・・ 使用しきれないほど多い。

 ★不能(=弗能)
    
    読み ・・・ 能(あた)はず(古文のハ行四段活用動詞「あたふ」未然形+打消の助動詞「ず」・書き下す時は必ず漢字「能」+「はず」!
    意味 ・・・ ~できない 
    
  (例)不能鳴。

    書き下し文・・・ 鳴く能はず。
    口 語 訳・・・ 鳴くことができない。

    ※「能」の直前に「不(=弗)」がつかない場合は「能(よ)く」と読み、「~できる」という意味になる。
     
 ★不得(=弗得)
    
    読み ・・・ 得(え)ず
    意味 ・・・ (機会がなくて)~できない 
    
  (例)不得已。

    書き下し文・・・ 已むを得ず。
    口 語 訳・・・ やめることができない(そうするしかない)。

   ※「得ず」の前には助詞「を」を補って書き下す。

否定形はまだまだ続きますよー。

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2007年9月19日 (水)

漢文 満点への道⑤ 否定形その壱

まずは否定形から説明しましょう。

1、単純否定

 ★不(=弗)
    
    読み ・・・ ず(古文の打消の助動詞と同じ活用・書き下す時は必ず平仮名!
    意味 ・・・ ~しない 
    
  (例)不足。

    書き下し文・・・ 足らず。
    口 語 訳・・・ 足りない。

    ※必ず未然形につき、主に動詞を否定する。
     名詞を否定する時は、その名詞に「あら」という送り仮名がつき、「~あらず」となる。
           
 ★無(=勿・莫・毋)
    
    読み ・・・ なし(ク活用形容詞「なし」と同じ活用・書き下す時は必ず漢字「無」+「し」!
    意味 ・・・ ~がない ~はない 
   
  (例)無能。

    書き下し文・・・ 能無し。
    口 語 訳・・・ 能力が無い。

    ※名詞などにつくことが多い。
     動詞を否定する時は、その動詞の連体形に「こと」という送り仮名がつき、「~こと無し」となる。連体形のみで「こと」がつかない時もある。

 ★非(=匪)

    読み ・・・ あらず(ラ変動詞「あり」未然形+打消の助動詞「ず」・書き下す時は必ず「非」+「ず」
    意味 ・・・ ~ではない 

  (例)非人。

    書き下し文・・・ 人に非ず。
    口 語 訳・・・ 人ではない。   

※直前は必ず断定の助動詞「に」が来る。その前は用言の連体形か名詞。
     
今回は、最も簡単な「単純否定」を取り扱いましたが、ここをしっかりおさえていないと次回からの複雑な否定形が分からなくなってしまいますよ。

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2007年9月17日 (月)

漢文 満点への道④ 再読文字その参

今回で、再読文字については最後となります。

6、須

 読み・・・ 須(すべか)らく ~ べし。
 意味・・・ 必ず(ぜひとも) ~ しなければならない。

 (例)人須重礼義。

    書き下し文・・・ 人須らく礼義を重んずべし。
    口 語 訳・・・ 人は必ず礼義を重んじなければならない。

  「不須」のときは「須(もち)ひず」と読み、「必要としない」という意味。必須」の「須」ですね。

7、猶(=由)

 読み・・・ 猶(な)ほ ~ ごとし。
 意味・・・ ちょうど ~ と同じである。
       あたかも ~ のようである。

 (例)過猶不及。

    書き下し文・・・ 過ぎたるは猶ほ及ばざるがごとし。
    口 語 訳・・・ 行き過ぎは、ちょうど足りないのと同じである。

8、盍(=蓋)

 読み・・・  盍(なん)ぞ ~ ざる。
 意味・・・  どうして ~ しないのか。

 (例)盍各言爾志。

    書き下し文・・・ 盍ぞ各(おのおの)爾(なんぢ)の志を言はざる。
    口 語 訳・・・ どうしてお前たちの志を言わないのか。

 ※「蓋」も同じ役割を果たすが、「シ」という送り仮名が右下についている時は「けだシ」と読み、「思うに~」という意味。

次回からは本格的に句形の説明を始めます。前2回分も合わせて、「再読文字」8種類10文字を全て丸暗記しておいてください。

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2007年9月11日 (火)

漢文 満点への道③ 再読文字その弐

再読文字の続きです。

3、当(=當)

 読み・・・ 当(まさ)に ~ べし。
 意味・・・ 当然 ~ するべきだ。

 (例)当惜寸陰。

    書き下し文・・・ 当に寸陰を惜しむべし。
    口 語 訳・・・ 当然わずかな時間でも惜しむべきだ。

  「当然」という熟語自体が「当に然るべし」と読みますね。

4、応(=應)

 読み・・・ 応(まさ)に ~ べし。
 意味・・・ きっと ~ だろう。
       当然 ~ はずだ。

 (例)応知故郷事。

    書き下し文・・・ 応に故郷の事のことを知るべし。
    口 語 訳・・・ きっと故郷のことを知っているだろう。

5、宜

 読み・・・ 宜しく ~ べし。
 意味・・・  ~ するのがよい。

 (例)宜以修身為本。

    書き下し文・・・ 宜しく修身を以て本と為すべし。
    口 語 訳・・・ 自分の身を正しく修めることを全ての根本とするのがよい。

 ※「宜」に「ナリ」が送り仮名でついていたら「むべナリ」と読み、「もっともだ」と訳します。これは古文単語にもありますので、併せて覚えましょう。

今回は3種類3文字を扱いました。残りは3種類4文字のみです。

ちなみに本ブログは携帯からも閲覧できますので、どうぞご利用ください。

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2007年9月 9日 (日)

漢文 満点への道② 再読文字その壱

古典の研究発表があったので、しばらくお休みしてしまいました。
その間のあまりのアクセス数の多さに、期待されている読者の方がたくさんいらっしゃることを実感しました。がんばります。

さて、今回は漢文の基礎中の基礎であり、最初の山場でもある「再読文字」の説明をします。この「再読文字」の重要さに気づいていない受験生が非常に多いことに驚きます。

再読文字とは、その文字通り「二回読む」字です。中国人は一度しか読みませんが、日本人は二回読んだほうが意味を取りやすいのでそのように訓読します。

一度目は、上から読んできて出てきた時に右下の送り仮名とともに読んでください。二度目は、返り点にしたがって左下の送りがなとともに読みます。ただし、左下の送り仮名は、二回目の読みが二字以上ある場合のみ二字目以降の音のみ表記されます。

(例) 「ず」だけなら表記なし。

    「ざる」なら「ル」のみ表記。

書き下す時は、一度目は漢字と送り仮名、二度目は平仮名のみです。なぜなら、二度目に読む時は助動詞だからです。

大事なのは、その読み方と訳し方です。全8種10文字しかありませんので、そのまま丸暗記してください。それだけで漢文の点数が大幅に上がります。

今回は2種類3文字を説明します。

1、未

  読み・・・  未(いま)だ ~ ず。
  意味・・・  まだ~しない。

 (例)未聞。  
     書き下し文・・・ 未だ聞かず。
     口 語 訳・・・ まだ聞かない。

    未聞也。
     書き下し文・・・ 未だ聞かざるなり。
     口 語 訳・・・ まだ聞かないのである。 
  ※「也」は断定の助動詞なので「~である。」というように訳す。 

  ※「未」に「ダシ」が送り仮名でついている時は、再読文字ではなく形容詞「未(いま)だし」。意味は「まだである。」となる。

2、将(= 且 )

  読み・・・ 将(まさ)に ~ す。
  意味・・・ 今まさに ~ しようとする。

 (例)将送君。
     書き下し文・・・ 将に君を送らんとす。
     口 語 訳・・・ 今まさに君を送ろうとする。

 ※中国語に「過去形」はありませんので、文脈に合わせ自分の判断で過去形にしたり現在形にしたりして訳しましょう。ただし、送り仮名に「き」や「し」などの過去の助動詞になっている場合は過去形で訳しましょう。

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2007年9月 3日 (月)

漢文 満点への道①

さて評論文については一段落おいて、今回から漢文に入ります。

前も述べたように、漢文は国語の中で最も簡単です。それは、覚えることが少ないからです。

覚えなければいけないのは

 1、古典文法の助動詞・助詞の一部
 2、12種類の句形
 3、よく狙われる重要語のみ           

です。

1は2の説明に含まれるので、とりあえず2の説明をこれからしていきます。

12種類の句形とは

①再読文字
②否定形
③疑問形
④反語形
⑤受身形
⑥使役形
⑦仮定形
⑧限定形
⑨比較形・比況形
⑩選択形
⑪抑揚形・累加形
⑫願望形・詠嘆形

です。

次回から、それぞれ説明していきますので、みなさんは例文をそのまま覚えていって下さい面白いように漢文が読めるようになりますよ。

今までの内容でも結構ですから、もし疑問点や不明点・ご要望などがある方は遠慮せずにご質問ください。私も勉強になりますので、ぜひともお願いします。

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2007年9月 1日 (土)

評論読解の原則⑧

本ブログも非常にアクセス数が増えてきました。嬉しいかぎりです。

さて、今回は文章を読む上で最も重要な接続詞をお教えします。それは何だと思いますか?

「つまり」だと思ったあなた。「つまり」は前の文を言い換える時に使います。前の文が少し分かりづらいので言い換えるのです。ですから、それほど重要度は高くありません。「いわば」「すなわち」もほぼ同じ役割をします。

「だから」「それで」「ゆえに」「したがって」は順接を表します。前の文から当然予想される文につなげる時に使います。前の文が理由・原因、順接の後が結果となります。これに対し、「なぜなら」は前の文が結果、「なぜなら」の後が理由・原因となります。これらはCの文(Bの根拠となる文)を探す時に役立ちます。

最も重要な接続詞・・・それは逆接です。「しかし」「だが」「けれども」「ところが」が出てきたら、その文は要注意です。

(例)1、彼女は性格が悪い。 しかし、美人だ。
   2、彼女は美人だ。    しかし、性格が悪い。

1と2は同じことが書かれています。しかし、本当に同じ内容でしょうか?(今も「しかし」を使いましたね。)
そうです。必ず、逆接の後ろの文は強調されているのですよ。ですから、かなりの高確率で重要な事柄が逆接の後ろに書かれます。文章を読んでいて、逆接が出てきたらとにかく要注意です!

大体、評論文は「一般論では~だと考えられている。しかし、私は~だと考える。」という構造をしています。これを見抜けるようになると、評論文を読むのが急に楽になりますよ。

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